表具師店長の日記

またまた大きな掛け軸の修理です Vol.3

大きな掛け軸の修理について、Vol.1Vol2 を書きながら、最終のまとめを忘れていました (^_^;)

今回は、仕上げまでの事について書きますね!

前回は、最終の裏打ちである 「総裏」 までの事を書きました。

総裏は、表を中にして 仮張りに張るのですが、これを途中で表返しに張り付けます。

一度仮張りから外すと、裏面から蝋(結晶いぼた)を引き 数珠を掛けて(裏摺り)おきます。

こうする事で仕上がり後の掛かりが良くなります \(^o^)/

そして表掛け(表返すこと)をして さらに10日ほど そのままにしておいてから仕上げをします。

【 裏摺り作業 大きいから大変です…】 【 表掛け 】

その間に、下軸と表木の準備です。

下軸は、黒檀の「長撥」と言う形のもので径が1寸3分ありました。

普通の掛け軸の下軸の径が9分であることを考えると、やはり かなり大きいです (^^)/

綺麗な状態だった事と 結構高額な商品であることを考え、再利用する事としました。

中の軸j棒もしっかりしていたのでそれを使いましたが、中ほどで大きく反っていたので、鋸目を入れ

そこに詰め物をして反りを直しました (^^)v

表木も再利用しましたが、橋が少し傷んでいたのと 掛け軸の表具幅が少し大きくなっていたので

新しい木を継ぎ足して使いました!

【 赤丸の部分に詰め物をしています 】 【 表木です。右側を継ぎました 】

そして いよいよ仕上げです!

再度蝋を引き 裏摺りをして 糊代となる紙を取り去り下軸と表木を付けるのですが、なんせ大きいので

大苦労でした・・・(T_T)

特注の大きな鐶を4つ付け、当店で持っている最大の紐を取り付け完成です \(^o^)/

【 仕上げ前の裏摺り 】 【 完成しました \(^o^)/ 】

掛かりもそこそこ上手く行きましたので 、納めてきました。

施主様にも 喜んで頂けました \(^o^)/

2017/6/3 書く

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