表具師店長の日記
今年も文化財保存修復学会総会に参加しました!
今頃の報告になりましたが、先月6月24日に文化財保存修復学会の総会に参加してきました ヽ(^o^)丿
今回は大阪の吹田にある民族学博物館にて開催されました。
例年 嫁さんと一緒に旅行を兼ねて行っているのですが、今回は近いのでどうしようと思っていましたが、
やっぱり例年通り嫁さんと一緒に泊り掛けで行ってきました (^^♪
日本全国を回り持ちしているので、将来奈良であるかも…
ちなみに昨年は熊本でした (^^♪
旅行の方は別途報告しますね (^^ゞ
民族学博物館は万博公園内にあるので、店長宅からは電車で行く事としました。
高速代・駐車料金・運転 を考えると、電車に乗って座ってのんびり行く方が楽だと考えたからです (^^ゞ
そして、例年は遠隔地にあるので「当日朝に出発しても到着がお昼」 と言う事がざらだったのですが、
今回は近いので受付開始とともに現地入りしました (^_^;)
その為 万博公園はまだ開園しておりませんでしたので、通用門の様な所から入れてもらいました…
今回の発表は、当店に関係のある内容が多かったです。(と思ってました…)
・ 「和紙用ネリの安定供給に向けた取り組み及びネリの各種物性に関する調査」
・ 「和紙抄造に利用されるトロロアオイの粘液研究 -種内変異、栽培土壌の影響」
上記は開会式後のセッションの内容の一部ですが、「和紙」と言えば表具になくてはならない材料で
あるし、その安定供給に関する発表だと思って一生懸命に聞いておりましたが、金属イオンがどうのこうの
やら、ホルマリン濃度が0.037%・0.37% を比較するだの、当店では測りようのない数字が乱れ飛んで
おりました…
V
とりあえず午前中は難しい内容ながら大会場の口頭発表をしっかりと聞き、午後からは別会場で
行われている「ポスターセッション」 を見て回りました。
ポスターセッションとは、模造紙代の紙に研究内容を書き、パーテーションパネルに張り付けてその場で
研究内容を報告すると言うものです。 (^^)/
その中で特に興味が有ったのが、「葛蛇玉筆 絹本著色「鯉魚図」 3幅 修理報告 -画家と表具師との
関りをどう残すか」 と言うセッションでした。
これを発表されていたのが、滋賀県の表具師さん(と言っても当店とは比べ物にもならない程大きなお店)
でした。「坂田墨珠堂」 と言うお名前で、以前ここの仕立てた表具の修理をした事が有ったので、変に
親しみが湧いたので聞きに行きました (^^♪
内容は、「葛蛇玉」と言う画家さんは、表具師さんと連携して掛け軸を作ったと言う発表でした。
掛け軸を修理していた時、落款の裏側に和紙に押した落款が見つかったと言うのです \(◎o◎)/!
裏彩色と言うのは効いたことがありましたが、裏落款(?) は初めてでした。
坂田さんも初めて見てビックリして発表しようと思ったそうです (^^)/
裏打ち紙を捲る際、店長なら気付かずに裏落款もめくってしまいそうに思います… (^_^;)
偽物ではないと言う事を証明する為ではないかとも言っておられました。
これからは店長ももっと気を引き締めて作業に取り組もうを気持ちを新たにしたひと時でした ヽ(^o^)丿
この集まりは、日々のんびりと生活している店長に刺激を与えてくれる素晴らしい大会です (^_^;)
2023/7/7 書く
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