表具師店長の日記

お祝は社長室の額 ヽ(^o^)丿

 以前"同級生が 「長谷工コーポレーション」 の社長になったとご報告しましたが、その就任のお祝いに

友人として 何かお祝いをしようと考えました。 しかし 花はすぐに枯れるし、趣味も分からないので物を

贈っても 喜ばれないかもしれないと思い、他の誰にも真似の出来ない物 「店長の技術」 を贈ろう」と

考えました (*^^)v

即ち 掛け軸か扁額を考えておりましたが、彼の自宅に和室が無ければ不要な物になるかもしれない

と思い、彼に尋ねました。 すると 「社長室に飾るから額が良い」 との返事でした。 更に 「高校の 校訓

を書いて貰って欲しい」と言ってきました (@_@;)

   


書は 大神神社の宮司さんか 近くの有名なお寺の住職にお願いしに行こうと考えておりましたが、校訓

を書いて欲しいと は中々言えないので、誰に書いて貰うかを悩んでおりました。

高校の同じクラスの女性で、習字の先生をしている方を思い出し、お願いしてみると 「書くよ (^^)/」

と引き受けてくれたので、ホッとしました (^^♪


本紙の段取りは出来ましたが、額の仕立てをどうするかと言う事ですが、やはり社長室に飾ってもらう

ので、色んな人の出入りがあると思います。

まして 建築業界ですから、表装に造詣の深い方も来られるかもしれません…(^^ゞ

そこで 本漆塗り中入り艶消し枠・本金張り・2回蓑掛け上四分子 仕立てとしました。

しかし 発注すると、「中入り艶消し」 と言うのを問屋に理解してもらえませんでした・・・

「艶消し」 とは 字の通り光り輝いていない事ですが、普通に漆を塗って乾燥させると表面がピカっと

光ります。そこで昔の方は 「消し炭」 を使って表面を軽くこすりました。

「消し炭」 とは炭を燃やして途中で消した炭の事で、燃やす前の炭より柔らかくなります。

柔らかい炭で擦るから柔らかく艶が消えるのです。 硬い炭で擦ると傷になります・・・ (~_~メ)

この炭には 「椿の消し炭」 が良いと教わりましたが、今の塗師屋さんは 消し炭で消すと言う行為自体

知らないそうです (T_T)

艶消し漆と言って 塗るだけで艶の出ない漆が開発されているので、それを塗る事しか知らないという

事です…  こんな事で良いのでしょうか?

ひとつずつ日本の文化が消えてきます・・・ (>_<)

本金は、皆様もご存じの「本金箔」を膠で鳥の子に張り付けた商品です。

これは店長が作るのではなく、「箔押し師」 と言う職人さんがおられその方に依頼します。

箔にも不純物(銅や鉛)の割合によって色々あります。

また 箔の押し方にも 平押し・表箔押し(絹の上に箔を押す)・裏箔押し(箔を押した紙の上に絹を貼る)・

木目箔押し(箔を押した紙の上に絹を2枚重ねて貼る) 等 色々ありますが、今回は一番シンプルで

落ち着きのある平押しを注文しました。

 

下張りについてですが(この作業はすべて店長によるものです…) 「上四下地への2回蓑掛け」 です。

これは 昔ながらの襖の下張りでは ほぼ最高の仕立てとなります。

和紙を片面に7枚張ってあり、途中の和紙を浮かして張ってあります。

 

 


以前から危惧していましたが、表具は長い年月をかけて発展してきた日本の文化でありながら、

このままでは消滅してしまうかもしれないのです・・・ (~_~;)

漆塗りひとつとっても、昔の技術が使えない…

箔押しにしても職人さんの数が減ってきています。

表具師においては、平均年齢が50歳を超えているのではないかと思います (T_T)


そこで 建設業界大手の社長さんに日本の文化の広報を担当してもらえたらと言う気持ちも込めて

日本の文化に繋がるような品物をお祝いとしてプレゼントしました \(^o^)/

   



2025/5/18 書く





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奈良県桜井市の大神神社(三輪明神)の参道にお店がある大正12年創業の老舗 高梧堂(こうごどう)嶋岡表具店です。
近くには、邪馬台国卑弥呼の遺跡として有名な纏向遺跡があります。
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こんにちは!店長兼表具師の嶋岡です。

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