表具師店長の日記
バラバラの本紙の修理が完了しました ヽ(^o^)丿
今年6月にご報告した、「バラバラになった本紙の修理」 がようやく完成しました ヽ(^o^)丿
前回のご報告では、バラバラになった本紙を繋ぎ合わせて何とか形になるであろうと思われる程度に
作業が進んだ所まででした… (^^ゞ
あの後 裏打ち紙を捲り、上部の余白部分を切除しその切除した本紙を欠落した本紙の穴埋めに利用
させて頂きました。
その為 元の寸法より少しは短くなりましたが、施主様にはご了承を頂きました (^^)/
1回目の裏打ちの前に、バラバラになった本紙の隙間が 出来るだけ少なくなるように少しずつ絹地を
ずらしました… (^^♪
そして裏打ちです (^^)v
裏打ちは少々時代色を付けた和紙を使いました。
「掛け軸の場合糊は出来る限り薄くするように」と、親方から教わってきましたが、今回の掛け軸に
関しては濃いめの糊を使いました。
何故なら、肌裏でしっかりと本紙を捕まえてくれていないとバラバラな本紙の場合、糊が緩むと落ちて
しまうかもしれないからです (^^)/
その後が 「折り伏せ入れ」です。
これは 中肉くらいの厚みの和紙を幅7厘半(2㎜強) で切ったものを、裏側から折れの上に貼って
いくのです。 バラバラになっていたので、本紙が切れていたところは勿論ですが、パッと見て分かり難い
所は、下にトレース台を置いてその上に本紙を乗せて折れの入った部分を探し鉛筆で線を入れます。
その線に沿って紙を貼るのですが、数が多いので本当に大変でした・・・ (^_^;)
ここまで出来たら後は普通の掛け軸と同じです (^^)v
2回目の裏打ちをした後、付け回しをし 総裏を入れ 仮張りに掛けて乾燥させ そして仕上げです (^^♪
今回は、古い掛け軸を修理した年代と施主様の名前が書かれていたのでそれを再生して掛け軸の
裏側に張って欲しいとのご依頼もありましたので、仮張りに掛けてから貼り付けました (^^)/
無事 完成し施主様にお渡ししましたら、「家宝にさせて頂きます」 と言って頂けました ヽ(^o^)丿
苦労した甲斐がありました \(^o^)/
2023/8/27 書く
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