表具師店長の日記

古い襖の修理Vol.2 (^^♪

 5月27日に店長日記で報告した襖の修理ですが、「折を見て報告させて頂きます」 などと書き込んで

おりましたが、途中経過を書く余裕もなく、先日仕上げをして納めてまいりました… (~_~;)

残りの7枚もやはり一筋縄では行かないような傷み具合でした… (>_<)

1面仕上げるのにおおよそ6日ほど掛かっておりましたので、全部を一気に仕上げるとひと月以上

この襖の修理に掛かりっきりになってしまうことになります。

そこで、両面(2枚)を修理したら違う仕事をし、それが片付いたらまた襖の修理を2枚する…

というペースで作業を進めていきました (^^)/

その結果、すべて完成したのが、10月10日ごろでした…(^^ゞ

何と 4か月も掛かってしまいました (~_~;)

 

 

その後、下合わせも済み内則の調整(幅と丈を下合わせの時に付けた印に合わせて調整する事)も

終わった下地の耳すき(下張りした紙が段になっているので、出刃包丁で段になっている部分を削ぐ事)

をし、和紙で受けを2回掛けると、上張りの準備が完了します !

 

 

 

そして修理をした襖紙を、受け紙の上に張り付けます。 これが上張りです (^^)/

この様に書くといとも簡単に上張りが完成した様に思いますが、そうではありません・・・

古いお宅は柱が傾き・敷居も歪んでいます。

その為、古い襖を新しくする場合、幅は出来るだけ元のまま使えるようにして上下だけで歪みを取ります。

と言ってもそう上手くは行かないので、上張りを修理する時に上下左右で3分ずつサイズが大きくなる様

修理しました (^^♪

上張りを襖の下地に合わせる時は、真ん中の襖から張るようにします!

これは、端から張っていくと歪みの量が多くなり反対側では紙が足りなくなる事も出てくるからです (^^;)

真ん中を先に合わせて、それに合わせて両端を合わせると歪みの量が少なくて済みます!

それでも右では紙の下が左では紙の上が一杯一杯になってしまいました・・・

隣り合う襖は柄が合わなくてはいけないので、よく目立つ柄の下からの寸法を測りながら1枚ずつ張って

行かなくてはなりません。 

片面4枚張って十分乾燥させて、今度は裏面も同様に張ります。 そして上張り完成となります ヽ(^o^)丿

 

十分乾燥させた後、元の引手穴の位置に引手穴を掘ります (^^)/

先に引手穴を掘ってしまうと、上張りの位置の微調整が出来なくなるので、後から掘ります (^^)v

 

そしてふちを打ち、あけた穴に引手を入れて襖の完成となります \(^o^)/

これを現場に持って行き、敷居の溝幅やゆがみを微調整して納めます。

ただ、古い敷居は今まで入っていた襖によって溝が傷んでいます。

溝幅が広くなっていたり、下溝が削れて深くなっていたりします。

その辺も調整してスムーズに動くようになするのです !(^^)!

4枚が敷居に納まると、凄く良く見えました ヽ(^o^)丿

 

施主様もとても喜んでくださり、半年間の苦労が報われました (*^^)v


2022/11/7 書く




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