表具師店長の日記

漆塗り研修会に参加しました (^^)/

 ちょっと前になるのですが、漆塗りの研修会に参加してきました (^^)/

表具師さんが何故漆塗り??? と思われるかもしれませんが、表具師の扱う商品には漆塗りの商品が

沢山あります。

例えば、襖のふち ・ 額装の枠 ・ 衝立の枠 ・掛け軸の軸先 が代表的なものです (^^♪

その中の襖のふちに漆を塗る研修会がありました!

漆塗りと言っても色々な塗り方があります。

襖のふちの塗り方にも大きく分けて2種類あるのです。

何が違うかと言いますと、ふちの木地に一番最初に塗る「下地」の塗り方です。

研修会で先生は、「はんだ塗」と「蠟色塗り」 と仰っておられました。

「はんだ塗」 とは 砥の粉に膠を混ぜたものを下地として塗ります。

それに対して「蠟色塗り」とは、砥の粉に漆を混ぜたものを下地として塗ります !(^^)!

どう違うかと言いますと、膠は水に弱いので、湿気が多いと漆が剝がれてきますが、

漆は水に強いので剥がれることがありません!

では、すべて下地に漆を混ぜて塗れば良い のですが、費用が高くついてきますので、予算のある物

しか使えないのです・・・ (>_<)

今回は 「漆塗り」の見学と「研ぎ出し」の体験 をしてきました (^^♪

見学会では、先に書きました漆塗りの基本的なことの説明をした後、先生がまず下地を作りながらの

説明の後 実際に木地(襖のふち)に下地を塗っていかれました。

下地は刷毛で塗るのではなく、へらで塗ります。

その後、すでに下地を塗ったふちが用意してあり、その上に今度は漆専用の刷毛で漆を塗っていかれる

訳ですが、漆を塗るには漆の中に入っている不純物を取り除かなくてはいけないので、和紙に漆を入れ

絞って漆を濾されました。 手際よく刷毛を使っておられるのを見ると流石だなぁと感じました (^^)v

 

 

この後体験として、漆の研ぎ出しです!

店長は昔漆について少し勉強をしていたのですが、その時の記憶では「椿の消し炭」 で表面をこすって

研ぐと聞いておりました。

しかし現在では、細かいサンドペーパーに水を付けて擦るそうです… (-_-;)

襖のふちで「艶消し」という種類があるのですが、本来はこのように炭やサンドペーパーでこすって

艶を消すのですが、艶の出ない漆もあるようで、手間がかからないので指定しなければ艶の出ない漆

を塗られてしまいます…

擦ることでわずかな凹凸や小さなごみは消えて表面が綺麗になります (^^♪

今回の研ぎ出しは、下地の上に「紅柄」を塗りその上に「黒」を塗り重ねている20cmほどのふちを

渡されました (^^)/

これを研いで黒を消して赤を出すと 「曙塗」になる訳です !(^^)!

でも 中々うまく研ぐことは出来ません… (>_<)

必死になって 手が痛くなるほど擦って、ようやく少しの模様を作る事が出来ました (^^♪

その後 昔は 「角粉」と言って、鹿の角を粉にした物に少量の油を入れてふちの表面をこすると

艶が出てくるのですが、今は液体のワックスを掛けました (~_~;)

 

 

 

何やかやと言いながら作業をしましたが、艶消し・研ぎ出し と言う作業には物凄い労力が掛っている

と言う事を、改めて知ることとなりました \(^o^)/

久しぶりに いい勉強会でした (^^♪


2022/10/30 書く




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