表具師店長の日記

大きな洋額の修理 (^^)/

変わったお仕事をお受けしました (^^♪

「変わった」 と言うのは、表具師としてはあまり関係が無いように感じるお仕事だからであります… (^^;)

ある団体が所有する大きな額の修理を依頼されました。

「額の修理だから表具師の仕事じゃないか・・・」 と思うのですが、その額が和額ではなく洋額だったからです!

和額は、襖の様な下地に裂や紙を上張りし、その上に本紙を納めています。

洋額は、ベニヤで作ったパネルの上に鳥の子を貼ってその上に絵を描くと言うものです。

壁に取り付けてあった大きな額(高さ2.1m×巾1.5m) が 何かの弾みで倒れて机の角に当たったそうです…

 

 

その為 表側の絵の部分が破れたのは言うまでも無く、裏側のベニヤ迄破れてしまっておりました (>_<)

現場へ見に行った時、表側迄ベニヤの一部が出ていたので「ちょっと厄介かな…」 とは思いましたが、

適当にお見積りを出しましたら、それでお願いしますとなってしまったんです・・・

その団体の方も、私を逃すと誰に相談すれば良いか分からなかったらしいです・・・ (^_^;)

裏側からベニヤを少しずつ切り取って破れた部分を露出すれば何とかなるだろうと思っておりましたので、

車に積んで持って帰りました (^^)/

  

作業台の上に裏返しに置き( やっぱり大きいですね・・・ )、少しずつベニヤの破れた部分を取って行きました。

幸いな事に、絵を描いてある鳥の子部分がベニヤに直に貼り付けていなかったのです ヽ(^o^)丿

直に張り付いていると少しずつカッターでベニヤを切りすぎないよう注意しながら切らなくてはいけませんが

浮いていたので、薄い鉄板で作った下敷き( スプレー缶を潰して作りました (^^ゞ )を絵の部分とベニヤの間に

差し込み、力を入れてベニヤを切る事が出来ました。 このお陰で作業時間が格段に短くなりました!

ここから先は表具師さんの腕の見せ所です (^^)v

破れた鳥の子を少しずつ捲り上げ、絵が元に戻るよう破れの上下を確認しながら、浮いている部分に糊を

入れて紙を戻し、破れのサイズに水切りした手漉き和紙をその破れの上から貼り付けて裏側の破れの修理は

完成しました。

 

切り取ったベニヤの部分には、別のベニヤをそのサイズを合わせカットして嵌め込みました (^^♪

表側は、絵の具が衝撃で浮いてしまったところに糊を入れてしっかりと押さえました。

これで私の仕事は完了です。

 

 

この後は絵描きさんに欠落した部分の補修をお願いしております (^^)v


2022/9/7 書く




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