表具師店長の日記

懐かしのベニヤ下地襖… (^_^;)

 懐かしのベニヤ下地の襖・・・

襖の下地と言えば、杉で作った組子(障子の様に細い木を縦横に升目に組んだもの)に和紙を何重にも

張り重ねたものですが、このベニヤ下地の襖は、単板襖とも呼ばれ、組子の上にベニヤ板の一番上の

薄い板(単板と言いますが)を張り付けた下地です。

多くは中部・東海地方で使われていた襖下地になりますので、関西圏ではほとんど使用されておりませんし

バブルの前位に良く使われていた襖下地です。

関西でも中部・東海地方で修業された工務店では使われていたようです (^^)/

店長の親父(先代)は、結構新しいものが好きで、倉庫に何枚か残っているのを見た事があります。

店長は使ったことがありません・・・


先日張替えを依頼され持って帰り解体してみると、ベニヤ下地の襖でした (◎_◎;)

 

店長の知っているベニヤ下地は、普通の下地と同様の厚みがあり、襖紙を張った後ふちを打ち付ける

のですが、お預かりした襖のふちは鞘状になっており、襖の下地を包むようになっていおりました。

その為下地は普通の下地に比べてかなり薄くなっておりました・・・ (^^;)

バブルの頃は沢山和室の多い家が建ちました。襖が沢山いるので量産できる襖下地としてベニヤ下地

も考えられたのだろうと思いますが、紙を張った下地なら、湿気でその紙が伸びたとしても乾燥すると

また元の様に縮んでくれますが、ベニヤの単板は湿気を含むと伸びて来て乾燥しても元通りに戻りません…

その為長い時間が経った下地の表面は 「トタン板」 の様に波打っています・・・ (~_~;)

下地をふちの鞘に入れ込まなくてはならないので、以前の襖紙は全て剥がし・包丁で綺麗に掃除をしました。

しっかりはしているので、そのまま受けを掛け上張りをしましたが、やっぱり少し表に凸凹を感じました。

ふち打ちも下地が少々波打っているので下地をふちの鞘に入れるのに難儀しました・・・ (^_^;)

 

この様な扱い難さから、ベニヤ下地は消えて行ったのだろうな… と思いました (^^ゞ


2022/5/10 書く




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