表具師店長の日記

久しぶりの涅槃図の修理 Vol.1

 令和3年に入って一番最初の仕事は、涅槃図の修理です ヽ(^o^)丿

昨年の春にお声掛けを頂きましたが、やはり大きな掛け軸の修理には時間と場所の確保が必要と

なってきます・・・  その為 取り掛かるのが今頃になってしまいました (~_~;)

 
【 左が作業にかかる前で、右は色落ち防止の作業中 】


今回の本紙は、広げると丁度作業台と同じサイズでしたので、本紙の修理のために作業台を広げ

なくても大丈夫でした (^^)v

と言っても作業台の幅は1m20㎝ 程ありますので、かなり大きな本紙ですね (^^;)
【 作業台とちょうど同じ大きさでしょ (@_@) 】

昔は 作業台の上に紙を敷き、その上に本紙を置いて水で湿し 作業をしていたのですが、最近は

作業台の上にカッティングボードを敷き、その上に紙を敷いて作業をしています。

木の作業台の上でそのまま作業をしていくと、灰汁や糊が木に染み込みます。 それを綺麗にする為

表面を削ったりしておりました・・・ (>_<)

カッティングボードを使う事により、作業台への負担が減り 作業台を長持ちさせることが出来ます!


1月5日から作業を始め、20日頃まで掛かって本紙の修理と裏打ち2回を終える事が出来ました…

今回は 作業の内容について説明していきたいと思いますね (^_-)-☆


【裏打ち捲り】

裏打ち紙をめくる作業です。

作業台の上に障子紙を敷き 障子紙を十分に湿らせます。

その上に本紙を裏返しにして広げ、全体にスプレーで水を万遍なく振りかけます。

全体的に弛んで来ますので、端を上げながら刷毛で刷いて延ばしていきます。

水が足りなければその都度水刷毛で水を足していきます。

十分湿りを入れ、本紙が皴もなく延ばす事が出来たら裏打ち紙をめくります (^^♪

掛け軸の裏打ちは少ない場合は2回 多い場合は4回 してあります。

今回の涅槃図は3回してありました。 纏めて3枚をめくろうとすると本紙迄痛めてしまう

場合がありますので、なるべく1枚ずつめくります (^^)/

【 一日掛かって めくれたのは半分ほどでした (~_~;)  作業場の後ろで孫の柊ちゃんが見ています (^^♪】
【 一日めくったら表替えして乾かします。翌日は湿してから裏返しにし続きをしました。漸く全部めくれました (^^♪ 】

この続きは次回のお楽しみです ヽ(^o^)丿


2021/1/30 書く


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