表具師店長の日記

節句用屏風の修理について (^^)/

この季節になると良くご依頼を頂くのが節句飾りの屏風の修理です。

今までも 「 屏風にカビが出てきたので何とかして欲しい 」 であるとか、「 表面にへこみが出来た

ので 何とかならないか 」 と言った修理依頼がありました。

これらは、普通の屏風の様な造りになっていたので、ふちを外し手修理したり、蝶番をいじって

修理をしました。

【 カビの除去依頼。 カビの部分を外し付け替える。 右が外した状態 】
【 カビの除去依頼。 完成。 左の横筋が蝶番。右は屏風の大きさが分かりますね 】
【 裏から物が当った為、裏が破れ 金にもふくらみとへこみが出る。これにも蝶番は有ります 】
【 とりあえず修理完了。金の傷みを消すのは難しいです。わずかに痕が残っています…】

しかし 「 ふちが取れたから修理して欲しい。黒い部分がL字に取れている・・・」 と相談があった

時はビックリしました。 黒い部分がL字に取れるなんてありえない と思ったからです。

でも お写真を送って頂き 確認すると本当に L字に取れていました。

節句飾りの屏風にも色々ありますが、大抵 安く仕上げる為の工夫がしてあります (^_^;)

送られてきた屏風を確認すると、発泡ウレタンの下地を使い そこに 黒いふちをボンドで

引っ付けている と言う 簡単な屏風でした ・・・ (@_@;)

簡単な屏風でありましたが、元通りに組み立てるのは結構難しかったです・・・

【 本当にL字型に ふちが取れてました!】 【 下地が発泡材なので釘で打てません… 】
【 ふちにボンドを付けて紐と播金で固定です 】 【 無事 完成しました!】

今回もまた 修理のご依頼を頂きましたが、その内容は 「 1対のひな人形の金屏風のうちのひとつの

一部が縦に裂けてしましました。ひな人形のお店に修理をお願いしましたが、断られました。 」

と言うものでした。

店長は、蝶番が切れたんだな! と思い お見積りをさせて頂き、送って頂きました。

現物を見て ビックリしました!  蝶番が無いのです! それにふちもありませんでした???

と言うより 下地の上下を黒く塗りふちの様に見せかけて、適当なサイズに黒く出るように表の紙と

裏の紙を それぞれ 下地2枚繋ぐような形て張ってあったのです。

蝶番らしきものは付いていないので、予め金を張る部分の下に薄い和紙を張り、強化してから

金を張りました。 金もそのままだと厚いので、二枚にへいで 薄くしてから張り付けます!

また 裏紙は、ふちの下に巻き込むことが出来ないので、予めサイズをしっかり決めて裁ち、

黒いふちが均等に出るように注意しながら張りました (^_^;)

ご予算の関係で、見えるところだけの修理としております (^^)v

【 上の赤丸の部分が完全に 切れてます 】 【 表から見ても 金がバラバラです 】
【 金を綺麗に外し、薄い和紙を一枚張ります】 【 裏面にも和紙を張ります 】
【 無事完成! 裏面は安く上げる為外側しか 張っていません 】

今回 4例の修理を載せましたが、これらは当店に来る前 色んな所で修理を断られたそうです。

基本的に 店長は断りません!

何とかして修理しようと試みます (^^♪

皆さんの大切な商品です。  末永くお使いいただくお手伝いをさせてください \(^o^)/

2019/4/13 書く

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