約２年半 長いことお預かりしていた 涅槃図の特大掛け軸を仕上げました ＼(^o^)／

前回の報告 「Ｐａｒｔ 8」 では、総裏を入れ、軸棒を加工したところまで報告しました。

それから２ヶ月経過しましたが、漸く仕上げることが出来ました。

総裏を入れた後 ひと月ほど乾燥させ、表向きに張り直しました （ 表掛けと言います ）。

これは、普通の掛け軸でも行うのですが、こうする事で掛けた時に掛かりが良くなるような気がします。

また、古い掛け軸の場合 最終の補色がし易くなるます (^^)v

補色は完成してから行うとその部分がつってしまって、掛けた時におかしくなります (^_^;)

この涅槃図の場合も、最初は補色もしないという事でお話をしていたのですが、表掛けをしたところ

破れていた所に入れた紙が白く目立っていたので、施主様と相談した結果 絵描さんに入れて貰うと

結構なお値段になるので、絵を描く事には素人ですが、店長が汚す程度に色を入れる事となりました。

表木と言って 掛け軸の一番上についている棒も、節のところでかなり反っていたので、これも 埋め木

をしたりして補修しておきました。

【 パッと見た感じは真ん中の白い傷が目立たなくなっていると思いませんか？】

そして、いよいよ仕上です。　

嫁さんと２人掛かりで大きな仮張りを作業台の上に乗せ めくり上げました (^_^;)

総裏の時もそうでしたが、作業台の上には 大き過ぎて広げて載せることが出来ません・・・ (>_<)

そこで、先に下半分を準備し、下軸を取り付け、乾かしてから また半分巻き上げて残りの作業を

する事としました。

今までの涅槃図の場合、下軸の取り付けも一人でやっていましたが、今回は一人でやると何故か

ズレが出て来たので、嫁さんにヘルプを依頼しました・・・

下軸を付けて乾かした後 太巻き芯を被せ巻き上げます。 太巻きを被せると後々傷みが減ります。

そして 残りの部分にも蝋引きと裏摺りをした後、表木を取り付けました。

こちらは一人で出来ました ＼(^o^)／

【 下軸の付ける準備 】		【 残り半分の耳すき 】
【 表木。真ん中の白い部分に節がありました 】		【 下軸と表木が付きました 】
【 下軸 ： 1寸7分 　太巻き ： 2寸8分 】		【 表木 ： 半径1寸2分 】

紐を通す鐶 も 特注しました。 掛けた時に、掛け軸の重みで抜けてしまってはいけないので、

真鍮素材で 足を長くしてもらい、表木に穴を開けそこへ差し込み 出た部分を曲げて 打ち込みました！

紐も悩みました・・・　　

結局 真田紐 を使いましたが、普通の紐の様に結ぶことが出来ず苦労しましたが、何とか納まりました。

【 表木に鐶を刺した状態 】		【 裏側 突き出した足を折り曲げて固定 】
【 真田紐を取り付けたところ 】		【 左の拡大 】

普通は 仕上げると、掛けて調子を見るのですが、長すぎて当店には掛けるところが有りません (>_<)

取りあえず、８畳間の座敷に広げて写真だけ撮りました。

【 広げてみると、部屋一杯でした・・・ 　持ってみてもやはり大きいですね！】

元々箱に入っていたのですが、少々大きかったので 板を入れて調整をし、枕（掛軸の下軸が乗る所）

も サイズが合わない（太巻き芯を使った）のでこちらも補修しました。

【 両側を同じ様に調整しました 】

後は、包装して施主様にお届けするだけです ＼(^o^)／

2015/12/20 　書く