表具師店長の日記

帯から ???

先日、お客様が 帯の切れ端 2m程 を持って来られ、「 何かの形にしたいのだが…」 と相談を受けました。

かなり上等の帯でしたので、たとえ2mと言えども 捨てるのがもったいない感じがしました (^^)/

【 ちょっと 写真の色が悪かったです・・・ 】

そこで 店長は、 幅が30cmほどあるから 『 色紙掛け 』 にしてはどうですかと お勧めしました。

最近は、既成の色紙掛けが安くで有る為、中々当店で作成するという事は有りませんでした (^_^;)

折角の帯だから、ちょっと豪華に仕上げてみようと思い、色紙を掛ける部分も糸で無く

共裂(帯と同じ生地を使って掛け糸を作る事)にしようと決めました (^^)v

と 言ったものの、 作業に掛かり、裏地を外してみると 裏糸の山・・・

この帯は 西陣織で、裏には大量の糸が浮いており、それを切らなくては裏打が出来ないのです・・・

【 凄い糸で 裏地が見えません・・・ 】 【 左の黒っぽい塊が、切った糸屑 】

裏がスッキリしたところで、裂の裏打をします。 そして 色紙を掛ける部分の作成です (^^)/

共裂を使う為 余った裂を 3分(約1cm)幅に切り落とし それを 三つ折りにして 1分(約3mm)の 紐としました。

この時、裂には柄が有るので、それを合わせるのに少々苦労をしました (^^ゞ

【 表から見たところ 】 【 裏から見たところ 】

掛け糸が完成すれば 後は総裏を入れて仕上げるだけです (^^♪

【 色紙を入れない状態 】 【 色紙を入れました  結構良いでしょ!】

この他、帯は屏風に貼ることも多いです (^^)v    また、着物なども 襖や屏風に貼ることがあります。

お客様と相談して、どのような形にするかは決めていきますが、箪笥の中に入れておいたら

その存在すら忘れてしまいそうですが、部屋のどこかに飾ると いつも見ていられます (^^)/

この様にして 生活の中にあるものが、表具師の手によって 美術品(ちょっと大げさ!?) に変わります。

皆さんの大切な物や思い出の品を 美術品に仕立てませんか ヽ(^。^)ノ

2012/11/13  書く

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