表具師店長の日記

日本の文化について考えました・・・

先日 面白い仕事をしました。

30年ほど前に親父が新調した襖を、そこの娘さんの家(別の家)にサイズ調整をして 入れなおして来ました。

その襖 今作ったら1枚 30万~40万円はかかるだろうと思います。

かなり前の店長日記に同じ見本帳で作った襖を紹介しています。

入れ直した後の写真ですが、金もピカピカ・ふち(黒い部分)もピカピカ 輝いているでしょ!

正面から見てみると

豪華でしょう (*^^)v

サイズが少々大きかったので、ここの家に合うよう 丈を縮めました。

見て分かるように本金は変色しません。 裏に貼ってある紙(と言うより、金は紙に押すものですが・・・)が変色するのです。

地の部分(絵も金もない部分)は茶変していますが、本金の輝きは今も昔も同じですよ (^^)v

ふちも 蝋色漆を使ってあったので、拭けばピカピカになりました。

そして、何より 親父が一生懸命気持ちを込めて作った襖が、捨てられずに再生出来た事に喜びを感じました ヽ(^o^)丿

この作業を通して思ったことが有ります。

良い物は いつまで経っても良い!

日本の生活に根差した文化を 守っていかなくてはいけない!

という事です!

偉そうな事を言うようですが、店長は 日本の文化を支えていると自負しています (^^)/

ところが この日本の文化を取り巻く環境が ここ10年で激変しました!

1500年以上の長い年月をかけ少しずつ日本の環境・風土に合うよう変化してきた “ 日本建築 (日本の文化) ” が

和室の消失という事で、あと10年もすれば作れなくなると思います・・・

現在も 襖の入れ替えによる新調は有っても、新築による新調はほとんどありません (+_+)

その為、和室に関係する仕事 ( 襖・建具・畳・土壁…) の跡継ぎが育たず( と言うより 仕事が無いので育てられない)、

廃業されるお店が たくさん出てきています。  当店も例外ではありません・・・ (-_-;)

日本の文化は、「 生活に根差した日本の文化 」 と 「 文化財の中の日本の文化 」 に 分ける事が出来ると思います。

当店は殆ど前者に関わりを持っています。 後者の方は 後継者も沢山育ち 安泰のようです。

しかし、一般家庭で 和室を作るのに 文化財修復技術者に依頼するでしょうか?

値段もあわず、結局和室をあきらめる結果となるでしょう・・・

その結果として、お持ちの 古い道具類が不要になってきますね!

最初に書いたような 価値のある古い襖 を 再利用する機会もなくなり、それらは 廃棄処分と なってしまいます (T_T)

掛軸・額・屏風 も 同じです。

そこで店長は考えました。

今 現在は文化財でないかもしれない古いものを修復して 後世に残すことで文化財になるのではないか・・・

その為には 私たち 一般の表具師が、先代より引き継いだ技術のほかに、文化財修復技術者の最新の技術の中で

我々が応用できる技術を身に着けることが大切ではないかと・・・

そして、店長は 『 文化財保存修復学会 』 の会員になることを申請し 先日認められました (^^♪

ここの会員になることで、いろんな情報を得ることが可能になるらしいです!

でも、生活に根差した 生きた日本の文化を残して行く為には、どうすれば良いでしょうか?

皆さんのご意見を聞かせていただけないでしょうか?

よろしくお願いします m(__)m

2011/11/3 書く

コメント

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日本の文化について考えました・・・

JRを使ってお参りですか!
それじゃ 当店の前は通りませんよね (^^)/

噛みついたりしませんので、勇気は要りませんよ (^^ゞ
気軽にお立ち寄りください。

皆さんにご利用いただけるホームページを目指しています。
「 こうしたら良くなる 」とか 「 こんな事したらどうですか?」 なんてアドバイスをいただけると嬉しいです。

気が向いたらまた覗いてくださいね \(^o^)/

  • 店長
  • 2011.11.04
  • 19:15
日本の文化について考えました・・・

こんにちは
ご丁寧にお返事ありがとうございます。

いつもJRを利用して参拝しております。
次回、勇気と時間のある時にお伺いさせて頂きます。
以外と恥ずかしがりやなのでね。(大汗)

店長さんの日記は、私の知らない知らなかった事など
(お盆の風習なども)沢山あり、楽しく読まさせていただいています。
これからも、お身体気を付けて頑張ってくださいね。

  • sumi
  • 2011.11.04
  • 15:33
日本の文化について考えました・・・

sumi様
コメント有り難うございます。
今日 大神神社に来られたんですか?!
是非とも寄って頂きたかったです・・・ 残念 (+_+)
次回里帰りされる時は、是非ともお立ち寄りください。そして、表装のお話でもしましょう (*^^)v
分からない事が有れば、何でも質問してくださいね!

しかし、日本画を習い 表装を習っているって sumiさんの方が凄いですよ (^^)/
こちらの方が教えてもらわなくてはいけないかもしれませんね!

過去の日記まで読んでいただいても、勉強になるようなことはあまり書いていません・・・ (^_^.)
日々の出来事の中で面白いこと・気になったことを書いています。

これからも応援よろしくお願いします m(__)m

  • 店長
  • 2011.11.03
  • 23:00
日本の文化について考えました・・・

こんばんは
初めてコメントさせて頂きます。東京在住の主婦、sumiと申します。私は3,4年前から日本画を趣味で習い、最近その絵の表現方法を模索する中で、表装をこの夏から習い始めました。私は芸大卒でもなく、単なるおばちゃん主婦のカルチャー通いなんですが。(汗)
で、ネットで色々調べている間にこちらのHPと店長さんのブログを見つけて最近ちょくちょく覗かせてもらってます。
実は実家が奈良で、里帰り中の今日も母親と三輪に参拝に行って来ました。今日は寒くも暑くもなく気持ち良かったです。
まだ過去の日記まで読めていませんが、時間をかけて読んで色々と勉強させていただきますね。
文化財保存修復学会、会員って、凄いですねぇ~。
店長さんのご活躍と志の高さ、陰ながら応援させていただきます。

  • sumi
  • 2011.11.03
  • 21:59

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奈良県桜井市の大神神社(三輪明神)の参道にお店がある大正12年創業の老舗 高梧堂(こうごどう)嶋岡表具店です。
近くには、邪馬台国卑弥呼の遺跡として有名な纏向遺跡があります。
古くなって傷んだ掛け軸・額・屏風等を1級表装技能士であり文化財保存修復学会会員であるベテラン表具師が責任を持って修理修復します。
又、書画などを掛け軸や額に表装(新調)致します。 大阪京都は出張見積り無料。

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こんにちは!店長兼表具師の嶋岡です。

京都で修行を積み、この道一筋35年。数々の古い表具の修理修復をしてきました。
お客さん第一で、納得のいってもらえる仕事をモットーとしております。
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