表具師店長の日記
ちょっと乱暴な(?)屏風の修理 (^_^;)
ちょっと乱暴な(?)屏風の修理をしました・・・
何が乱暴か と言いますと、本来は屏風に限らず襖でも額でも同じですが、修理する場合は表に
張ってある紙を全て捲って、それを作業台の上に乗せた上で作業をしていきます (^^)/
しかし 今回は、全部を捲らず3方だけを捲り(即ち 1辺は下地に張り付いた状態で)修理をしました…
と言うのも ご予算の関係から、「なるべく安く仕上げたい!」 と言うご希望があったから、店長が最低限
の仕事は出来るが手間のあまり掛らない方法としてご提示させて頂きました… (^^ゞ
まぁ あまりお勧めできる方法ではないのですが、取り敢えず最低限のきちっとした仕事は出来ました (^^)/
修理すべき傷が、奥の上下の隅にあれば、その傷に近い横と奥の縦の一部を捲り上げるだけで作業が
出来るのですが、傷がそれ以外の場所にあれば 今回の様に上下と奥の縦を捲り上げる必要が有ります…
今回の屏風は「本間六曲屏風」 と言われる 高さ180cm程 1枚の幅65cm程 の屏風でした。
六曲屏風の場合、当たり前ですが6枚の襖の様なものが引っ付いております・・・
これをバラバラにする事なく、その内の1枚だけを捲り上げるのですから、屏風の置き方が難しいです…
金の場合は、傷の裏側の紙をほぼ全て剥ぎ取る事で傷痕が見えにくくなります。
傷の部分には欠損個所もあったので、似た色の金紙を探し裏側から貼り付けておきました。
そしてその部分の補強の為、薄い和紙を貼り付けます。
ここまで出来ると後は上張りを如何にして張り戻すかです・・・ (~_~メ)
2か所しか捲り上げていない場合は、一人でも簡単に張り戻せますが、6尺もある紙は一人で持てない
ので、嫁さんを呼んできて二人掛かりで張り戻しました ヽ(^o^)丿
しっかりと撫で付け、十分乾燥させ、ふちを打ったら完成です!!
傷痕はありますが、パッと見は分からないほどに仕上がりました \(^o^)/
施主様からは、喜んで頂けました \(^o^)/
2023/3/2 書く
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