高梧堂メルマガバックナンバー

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掛け軸の選び方

彼岸とは?

簡単な襖の補修方法 第1弾 !

簡単な襖の補修方法 第2弾 !

紙本の裏打ちの方法 Vol.1

紙本の裏打ちの方法 Vol.2

絹本の裏打ちの方法

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1922年創業の老舗表具店

表 具 師 高 梧 堂
2010.8.9 配信
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このメールは、『当店から案内を送って良いですか』という問いに対して
『はい』とお答えいただいた方に送っています。

こんにちは、表具師 高梧堂の店長 嶋岡です。

当店のメールマガジンを読んで頂き有難うございます。

今回も皆さんにちょっとお得な情報を お教えしますね (*^^)v

■ INDEX
1.『紙本の裏打ちの方法 No.2』について
2. 開店一周年特集
3. お勧め品



皆さん、お元気ですか?

毎日暑いですねぇ〜 (@_@;)

熱中症で倒れる方が増えています。

家の中に居ても熱中症になるそうなので、十分な水分補給と

クーラー・扇風機等で室温を下げるようにして下さいね (^.^)

何とか元気にこの夏を乗り越えましょう (^o^)/

頑張ってメルマガをお届けしたいと思いますので

「暑いから読む気がしない」なんて言わないで下さいね (^^)v

今回のメルマガは、前回お伝えしました『紙本の裏打ちの方法』

の続きをお教えしますね!

これを読んで、自分の作品を裏打ちしてくださいね (*^^)v

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● 紙本の裏打ちの方法 No.2 ●

習字を習っておられる方は、大概 『 画仙紙 』と言う紙に字を書きます。

これは、文字通り " 紙 "です。

紙に書いた本紙のことを、私たち表具師は 「 紙本 」と呼びます。

紙に字を書くと、墨が乾くにつれ縮んできて、本紙がくしゃくしゃになります。

このまま作品として残しておいてもいいのですが、見にくいし・嵩高いです。

そこで、本紙の裏から紙を貼り、ピンと皺の伸びた状態にするのが

「 裏打ち 」です。

裏打ちすることで、巻いてなおすのも楽だし、額に入れることも出来ます。

今回は 前回の続き『 紙本の裏打ちの方法 Vol.2』をお教えします (*^^)v


★★★
まず 画仙紙は、紙としての力が弱く、破れやすい紙だと言う事と、

墨および朱肉は水に流れる(滲んでくる)かもしれない、墨汁および水

彩絵の具は 確実に水に流れる と言う事を ご理解ください (^O^)/
★★★

裏打ちの工程ですが、
1. 滲み止め
2. 裏打ち用の紙を用意
3. 糊ごしらえ
4. 湿気入れ
5. 本紙伸ばし
6. 糊付け
7. 裏打ち
8. 仮張り掛け

細かく分ければ、上のような感じになります。

前回は、4 まで説明しましたので 5から続きを説明します。

が、簡単に 1-4の の 復習をしておきますね (^^)v

1. 滲み止め

最初に墨・朱肉は流れる(滲む)かもしれないと書きました。

作品をきれいに仕上げる為には滲みを止めるのがポイントです。

滲み止めのスプレー
『 トップガード 』 https://www.kougodo.jp/SHOP/topgard.html
『 ストップ 』 https://www.kougodo.jp/SHOP/stop.html

を利用するのが手っ取り早いでしょう (^.^)

両面からスプレーをかけ十分乾かしてから、次の作業に入りましょう。

ご自分で、しっかり墨を磨っている という方は、この工程を省いても

構いませんが、他の人の本紙の場合は、した方が良いですよ (*^^)v

2. 裏打ち用の紙を用意

厚めの紙
『鳥の子紙』 https://www.kougodo.jp/SHOP/torinoko_h.html

で裏を打てばいいと思います。

紙を裁つ場合 気を付ける事は、裏を打った後 干さなくてはいけないので、

幅の狭い方に対し4p・広い方に対し5p 大きめにサイズを出して

紙を用意してください。上手になったらもう少し小さくしても大丈夫!

例えば、本紙が30p×45pなら 裏打ちの紙は34p×50p です (^.^)

 

3. 糊ごしらえ

糊は、工作に使っているチューブに入った糊や、洗濯糊(ビニール袋に

入った糊) を使いましょう。

      当店取扱い:『 正麩煮糊 』
https://www.kougodo.jp/SHOP/shoufunori_hako.html

糊は、1回の裏打ちに使える分だけ出した方が良いです。

古い糊は、接着性が悪いだけでなく 臭いも出てきます (>_<)

少しずつ水を入れ、玉が無くなるまでしっかりとこねます。

ここで大事なのは糊の濃さです。

濃すぎると、仕上がった本紙が固くなり ボコボコになります。

薄すぎると、本紙と裏打ち紙がはずれてきます。

最初から上手くはいきませんので、色んな濃さで挑戦し、丁度良い塩梅を

見つけてくださいね (^_^)v

参考として、刷毛で掬うと スーと垂れ落ちるくらいの濃さです (^^♪

 

4. 湿気入れ

ここからが裏打ち本番です!

湿気入れとは、皺くちゃになった本紙に水分を含ませ、作業台の上で、

綺麗に伸ばす為に必要な工程です。

これには、水刷毛を使う方法・霧吹き を使う方法 があります。
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作業台の左端(少なくとも端から3cmは空けときます) に本紙を置きます。

本紙は表を下にして 横長に 置いてくださいね (^.^)

まず、上から全体に霧を吹きます。

この時、一度にたくさんの霧を吹かず、様子を見ながら吹いてくださいね

5. 本紙伸ばし

湿気を入れた本紙を、真ん中まで持ち上げ、撫で刷毛
↓↓↓
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で刷いて伸ばしていきます。

白刷毛 を使って伸ばす方もいらっしゃいます。

店長の友達は、白刷毛で伸ばしています。仕事を習ったお店・祖父・父 も

撫で刷毛を使っていましたので、店長は 撫で刷毛派 です (*^_^*)

この時注意してほしいのが、刷毛の使い方!

刷毛は寝かせて使うもので、立てて使うと墨が戻りやすく皺も入りやすいです。

綺麗に伸びない時は 無理をせず、再度湿気を入れます。

書などで、墨がガチガチに固まりひきつっているような場合は

水刷毛 で、その部分だけ湿気を入れます。すぐには戻らないので
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気長に待つのも良いですね (^^)v

本紙は、上下・左右 に伸ばしていき、最後は隅で皺を逃がします。

無理に引っ張って伸ばそうとすると、破れたり・墨が流れたりします。

湿気入れ・うます・伸ばす を繰り返してくださいね (^o^)/

6. 糊付け

綺麗に伸びたら 次は裏打ちをする紙に糊を付けます。

この時使う刷毛は、糊刷毛。
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まず、本紙の上に予め用意をしていた裏打ち紙を置きます。

紙は ツルっとした方が表です。表を本紙につけるようにします。

手すき和紙の場合、どちらが表かわかりにくい時があります。

紙の表面をよく見ると筋がついています。

へこんだ筋が裏で、ほとんどわからない膨らんだ筋が表です。

和紙を乾かす時は、板や鉄板に張ります。板に張る時、刷毛で撫でる為

裏側に刷毛の筋が残ります。

裏打ち紙を本紙の上に上下均等に置き、左右は右を多い目に置きます。

右側の裏打ち紙の下(場板)に糊を入れ、裏打ち紙を場板に付けてしまいます。

場板に付けた部分が外れない様に注意しながら裏打ち紙を右側にめくります。

糊は、本紙の際(場板につけば部分)から付けていきます。

裏打ち紙に皺が入らないよう注意しながら糊を付けましょう (^.^)

付け忘れが無いよう少々たっぷり目に付けると良いです (^^)v

糊桶 の角でしごいた刷毛で同じ方向に刷毛を通しておきます。
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こうする事で余分な糊が取れ、均一に塗ることが出来ます。

右側にめくった時、場板をオーバーするような大きさの場合

取り敢えず、場板一杯まで付けた後、裏打ち紙を上げて折り畳み、

残りの場所を確保し 糊を付けます。

それでも足りない場合は、再度同じことを繰り返します。

7. 裏打ち

裏打ちには、『送り打ち』『投げ打ち』の2つの方法があります。

ここに説明しているのは、初心者でも出来る『送り打ち』です。

『投げ打ち』は紙に糊を付けてから、掛け棒に乗せ持ち上げ

本紙に合わせて裏打ち紙を置く方法です。

練習して慣れないと中々出来ないですが、1枚で打てないような

大きな本紙の場合は、何枚かの裏打ち紙を継いでいかなくてはなりません。

この時は、『投げ打ち』で打っていきます。

 

糊の付いた裏打ち紙を持ち上げる為、掛け棒 に裏打ち紙を乗せます。

掛け棒は、本紙より少し大きめが丁度良いです。

長すぎると作業がしにくいし、短いと乗りません・・・

掛け棒は、竹の物差しで代用できます。

まず 掛け棒を水刷毛で湿し、右手で持ちます。

左手で、裏打ち紙の下の角をもって持ち上げます。

持ち上げた紙の下に掛け棒を入れ、裏打ち紙を掛け棒の上に乗せます。

この時注意したいのが、裏打ち紙右端の下にきちんと掛け棒を入れる事です。

右手で撫で刷毛・左手で掛け棒を持ちます。

左手をゆっくりと持ち上げ、場板に付けた部分までめくっていきます。

この時 勢いよく持ち上げると、せっかく位置決めをしているのに、

ずれてしまいます。ゆっくりですよ (*^^)v

本紙の上を通り過ぎたところで、撫で刷毛で空気を抜くように

撫で始めます。

左手を徐々に降ろしながら、右手の刷毛で皺を作らないよう

優しく撫でて下さいね (^.^)

本紙を伸ばす時のように、刷毛は寝させて使ってください。


最後まで打つことが出来たら、掛け棒を外し 撫で刷毛の腹で

少々しっかりと本紙を撫でてください。

撫で忘れがあると、そこが浮いてしまいますよ (^_^;)

8. 仮張り掛け

仮張り とは、裏を打ったものを張り付けておく板です。
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紙は乾くと縮むので、裏を打ったものをすぐに張り付けると、

乾いたら、ピンッ と伸びるわけです !(^^)!

仮張りは、コンパネ等を利用しても構いませんが、表面に何の加工

もしていないと、綺麗にはがす事が出来ません。

表具師は、ふすまの下地に紙を張り、表面に柿渋を何度も塗って仕上げます。

すると、紙が残りにくいです。既製品 もあります。

裏打ちを終えた本紙の角を爪で起こし、裏返します。(表が上になります)

この時下の本紙の角も爪で起こして下さいね。裏打ち紙だけ持つと

せっかく打ったのに、裏打ち紙だけがめくれてしましますよ !


本紙から出た裏打ち紙に 薄い糊を付けます。

紙本を打った糊でも構いません。糊刷毛でなく付け廻し位の薄めの刷毛を

使った方がうまくつきます。

幅の狭い方を両手で持ち上げます。

仮張りのところまで持って行き張り付けます。

この時、幅の広い方の真ん中付近に 1px3p 位の紙を挟みます。

『ヘラ入れ』と言いますが、乾いた後 この『ヘラ入れ』の部分からへらを

入れて、本紙をはがします。

四方をしっかりと撫でて、『ヘラ入れ』の部分を少し持ち上げてそこから

空気を入れ 出来上がりです。

1日ほど乾かせば、OKです (^o^)/


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最後までお読みいただき有難うございました m(__)m

今回は、ちょっと難しい内容だったかもしれませんが、是非とも

チャレンジしてください。

ご自分では無理だと思われる方は、お早めにお近くの表具屋さんに

ご相談くださいね (*^_^*)

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次回のお役立ち情報は、『絹本の裏打ちの方法』を予定しています。

 

これからも、表具師 高梧堂 を よろしくお願いします m(__)m

 

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