表具師店長の日記

怖い湿気 ・・・

皆さん、湿気って怖いですよ!

先日 お客さんから、「 屏風の絵が浮いてんねけど 見てくれへんか? 」 と 連絡がありました。

この屏風とは、2002年10月に納めたもので、6曲1双の古い屏風の仕立て直しでした。

中に貼ってある本紙を再利用し、地には本金の絹目表箔を使用・ヘリはお客さん所有の帯を使いました。

裏の紙は、使えるところを再利用し、裏表紙のみ昔の儘にしました。

私の中では、大きな仕事と言う存在でしたので、連絡があった時にはすぐに屏風が目に浮かびました。

「 絵が浮いている?」 どうなってるんだろう???  と思いながら見に行くと 下の写真のように1枚が捲れ上がっていました。

上の写真の右から2扇目(屏風は 1扇・2扇・・・と数えます) の本紙の下を見てください。

何かフワッとしてますでしょう! それに、四方に付けている金具に錆が出ていました。 下が拡大写真です。

 
浮いているのが、よくわかるでしょう!緑になっているのが緑青です。

また、裏の表紙には ガビが生えていました (-_-;)

パッと見は 分かり難いですが、真ん中から手前にかけて白くなっているのがカビです・・・

 
浮いている本紙の補修は完了!錆もこれくらいが精一杯 ・・・

補修後、当店の座敷に広げて置いておき、十分に乾燥させた後 天気の良い日を見繕い配達に行きました。

湿気による影響は、ひどいものになると下のヘリが捲れてきたり・ふちから上張りがはずれて口をあいているような物も有ります。

こうなると、下張や蝶つがいまで湿気によりめくれている可能性が高く、ふちを外し“分解修理” となってしまいます。

ここのおうちも 箱に入れ 蔵に仕舞って おられたのですが・・・ (+_+)

「 蔵に入れているから安心!」 とは思わず、正倉院の御物もそうであるように、出しっぱなし・直しっぱなしではなく

最低でも1年に一回は表に出し、数日間広げて虫干ししてあげてくださいね  m(__)m

2011/12/12 書く

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古くなって傷んだ掛け軸・額・屏風等を1級表装技能士であり文化財保存修復学会会員であるベテラン表具師が責任を持って修理修復します。
又、書画などを掛け軸や額に表装(新調)致します。 大阪京都は出張見積り無料。

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